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2025年11月17日の投稿1件]

また最近読んで良かった小説の紹介です。『四維街一号に暮らす五人』です。著者は台湾の小説家の楊双子さん、内容は4人の大学院生と大家が古い日本建築でシェアハウスをするという話です。海外小説なのにどこかきららアニメを感じる、日常系好きに刺さる作品でした。以下、ネタバレありの感想です。
出典:中央公論新社公式サイト
出典:中央公論新社公式サイト

・小説なのにきらら感がすごい
途中まで読んで、これはひだまりスケッチだ……と思っていたら、なんと著者があとがきでインスパイア作品にひだまりスケッチを挙げていたので驚きました。それくらい随所にきらら要素を感じてしまう小説です。ほのぼのした登場人物、日常生活のささいな喜び、そして関係性萌え……とにかく、求めていたものがここにあった感がすごかったです。内気な乃云が陽気な家家と徐々に仲良くなるところとか、ゆのっちと宮子じゃん……などと思いながら読んでいました。雰囲気的に日本だったらアニメや漫画にもなり得そうな内容ですが(最後の方は小説らしい内容も出てきますが)、それが小説で読めるというのが新鮮でした。

・恋愛要素はちゃんとある
ただし、きららと明確に違うのが、恋愛要素がはっきり描かれているところです。ひだまりスケッチでいうヒロさんと沙英さんのような先輩ポジションの二人がいるのですが、登場してすぐに恋人かと見紛うような甘々な関係を見せつけてきます。二人はつかずはなれずな微妙な距離感の関係性を続けていきますが、だんだんとお互いの気持ちに気づき結ばれていく……。このへんはきららというよりがっつりGLドラマのような感じでとてもよかったです。長い小説ではないながらも揺れ動く心理描写が丁寧で、ドロドロとした描写などもなく、ひたすらに爽やかな青春といった感じで心が浄化されるようでした。

・海外小説ならではの日常描写
これだけ国内作品っぽさがある小説ながら、生活の描写からは存分に海外を感じられるのもよかったです。たとえば料理の描写。毎回5人の食卓にさまざまな料理が登場するのですが、日本では聞いたことのないような名前の料理がたくさん登場します。材料や香辛料の名前から、どんな味なんだろうと想像しながら読むのが楽しかったです。あと、台湾は同性婚が合法なので、妻のいる女性が普通に出てくるのもいいなと思いました。実際のところどこまで日常化しているのかはわかりませんが、何気ない会話の中で恋人の話題が出たときに、彼女なのか彼なのか聞く、といったシーンが自然にあったのがよかったです。

きらら系のようでいて、爽やかなGL小説でもあり、台湾の生活を知れる海外小説でもある……。色々な楽しみ方ができるおすすめの作品です。
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